Abstract
要旨67歳の男性が突然発症の心窩部痛で救急搬送された。造影CT検査で下行大動脈から分岐する蛇行した異常血管,左血胸,後腹膜血腫を認めた。気管支動脈蔓状血管腫の破裂と診断した。喀血や呼吸困難,胸痛など呼吸器疾患を疑わせる症状は認められなかった。来院後ショック状態となり,緊急で気管支動脈塞栓術を行った。塞栓術後速やかにショックから離脱した。フォローアップ造影CT検査と冠動脈造影で右冠動脈と蔓状血管腫の交通および左冠動脈と肺動脈の交通が認められたが治療適応にはならない血流量であった。経過は良好であり自宅退院し,現在まで再出血は起きていない。気管支動脈蔓状血管腫は腫瘍性病変ではなく血管の形態異常である。主訴は喀血が多く,心窩部痛は稀である。本症例の心窩部痛は血腫が後腹膜に及んだことで起きたと考えられた。突然の心窩部痛を訴える患者では常に胸部臓器疾患の可能性を考慮する必要がある。
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