Abstract

症例は48歳,男性.胃体上中部領域cStage IA胃癌に対し腹腔鏡補助下胃全摘術(D1+郭清,Roux-en-Y吻合)を施行.術後合併症なく経過し,術後9日目に退院した.退院後16日目に吐血,タール便を主訴に来院した.腹部造影CT検査では,食道空腸吻合部近傍に造影剤の貯留と左胃動脈切離断端に仮性動脈瘤を認めた.以上より左胃動脈仮性動脈瘤破裂(食道空腸吻合部穿破)と診断し,腹部血管造影検査を行った.腹腔動脈造影では,左胃動脈切離断端に仮性動脈瘤と造影剤の血管外漏出を認め,コイル塞栓術を行った.塞栓術後に再出血なく経過し,18日日に退院した.自験例では,胃切除術後に仮性動脈瘤形成の成因となりうる縫合不全や膵瘻はなく,術中のエネルギーデバイスによる動脈壁損傷あるいはクリップの逸脱が関与したことが推察された.腹腔鏡下胃切除術においては,仮性動脈瘤形成があり得ることを念頭に置いた対応が必要と考えられた.

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