Abstract

要旨症例は生来健康な67歳の男性。主訴は腹痛,嘔気。患者は榎茸をほとんど毎日摂取し,1日で最大500g(通常量の50倍)の榎茸を食べることもあった。受診10日前から間欠的な心窩部痛,腹部膨満感,嘔気がみられ,症状が持続するため救急外来を受診した。来院時バイタルはGCS E4V5M6,血圧96/55mmHg,心拍数95/分,SpO2 98%,体温36.2℃。腹部は膨満しており,圧痛は明らかではなかった。受診時の腹部エコーでは腸管拡張がみられ,腸閉塞の可能性を疑い,CT撮影した。CTでは小腸閉塞がみられ,閉塞部位に内部が不均一な高吸収の腫瘤様陰影がみられた。摂食歴と併せ,榎茸による食餌性腸閉塞と診断し入院加療とした。入院後イレウス管を留置したところ,症状改善がみられ,再度撮影したCTでは腫瘤様陰影は消失していた。榎茸の過剰摂取で,上記のような画像所見がみられる小腸閉塞では,榎茸による食餌性腸閉塞を鑑別にあげる必要がある。また治療後は,食餌性腸閉塞の再発予防のために食事指導を行うことが重要である。

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