Abstract
患者は68歳,男性.腰部脊柱管狭窄症にて近医に通院中であった.10日前より続く腰背部痛を主訴に救急外来を受診した.腹部CTにて腹腔内遊離ガス像と腹水を認めた.CT撮影直後より血圧低下し,塩酸ドパミン投与を開始.腹部は膨隆し,腹部全体に腹膜刺激症状を認めた.血液検査にて高K血症を認め,グルコン酸カルシウム注射を施行後,直ちに手術を施行した.開腹すると十二指腸球部前壁を主体とする2/3周性で50×35mm大の巨大潰瘍穿孔と膿性腹水を2,300ml認めた.術中ノルエピネフリン0.3μg/kg/minにて血圧を保てる状態であったため,十二指腸単純閉鎖術,大網被覆術,空腸瘻造設術,腹腔ドレナージ術を施行した.術後はICUにて人工呼吸器管理下にCHDFを施行し,その後徐々に全身状態良好となった.術前に敗血症性ショック,高K血症を呈した巨大十二指腸潰瘍穿孔の1例を経験し,集中治療にて救命できたので報告する.
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