アクロレインの気相酸化によるアクリル酸の合成 IV. Mo-V-Al 酸化物触媒におけるアルミニウム酸化物の効果

Abstract

アクロレイン気相酸化触媒に用いる Mo-V-Al/Al スポンジ担体触媒中における Al 成分の触媒作用におよぼす影響について検討した。触媒成分中における Al 成分化学分析値を基準として Mo-V 成分に広範囲な量の Al203を添加した触媒を含浸法により調製し, アクロレイン酸化反応を行ない, Al203 添加量の一定範囲においてアクリル酸生成活性に極大のあることが認められた。さらに触媒調製時に添加する Al 源に Al 金属を溶解して調製した触媒が Al(NO3)3・9H20 を使用したものよりアクリル酸生成活性の高いこともわかった。得られた触媒の電気伝導度σを測定し, 本触媒が半導体領域のσ値を示し, しかも測定範囲内で Al203 添加量の増大とともにσ値が減少する傾向を示すことが認められた。