Abstract
イエダニは人畜を吸血し, その不快感は非常に大きいが, その発生が, イエバエ等の様に普遍的でなく, ある限られた民家, 地域を除き一般的な衛生害虫として注目されていない.加えて, その飼育, 殺虫試験の困難から, この駆除に関する報告は非常に少い.この駆除は普通, 鼠がイエダニの主たる寄主である事から, 鼠の駆除がまず根本的に考えられなければならないが, 現実に発生, 人体に吸血しているものゝ対策には, やはり, 各種の防疫用殺虫剤が用いられている.これ等殺虫剤の選択の一助として本実験を行つたものである.こゝに取り上げた薬剤は, 必ずしもイエダニに特効的なものであるとは考えないが, 前述した通り, この発生が部分的であることから, これのみを対象とした薬剤は実際的に製造, 販売, 入手に困難が伴うと考え, 今日, 防疫用に多く用いられているdiazinon, malathion, lindane, dieldrin, DDTを検体として実験をしたものである.
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