Abstract
分級馬鈴薯澱粉の特性が近年明らかにされてきたが,リン酸架橋分級馬鈴薯澱粉の研究は行われていない。そこで本研究では,トリメタリン酸ナトリウム(STMP)を250,500,1,000ppm添加して調製したリン酸架橋分級馬鈴薯澱粉の物理化学特性を調べた。澱粉の糊化特性はDSCを,粘度特性はRVAとB型粘度計を用いて調べた。121℃で30分間オートクレーブ処理した糊液の溶解度・膨潤度はLeachらの方法を改良した方法を用い,流動特性および動的粘弾性はレオメーターを用いて測定した。澱粉ゲル破断特性はテクスチャーアナライザーを用いて調べた。離水率は0.1M食塩水中で調製した糊液を4℃で1週間貯蔵した際の離水量から求めた。いずれの分級澱粉もSTMPの増加により,RVA粘度上昇温度,ピーク粘度時温度,セットバック,B型粘度計による粘度,離水率,破断強度が増加し,溶解度・膨潤度,破断歪は低下した。また,大粒子澱粉は小粒子澱粉に比べ,RVAピーク粘度,ブレークダウン,溶解度,破断歪が大きく,離水率が低かった。中粒子澱粉の破断強度は大粒子および小粒子よりも高かった。
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