Abstract
本論文では,著者らが行っているカスタムメイド・チタンメッシュトレーと自家海綿骨骨髄細片を用いた下顎骨再建術を代表症例を提示しながら紹介する。このチタンメッシュトレーは下顎骨欠損部に正確に適合し,CAD/CAMと歯科技工の技術を駆使することで,個々の患者の最終的な咬合回復に適した外形を備えている。本法を用いて11人の下顎骨欠損患者(9人の区域欠損と2人の辺縁欠損)の下顎を再建した。再建手術は全例とも支障無く終了し,術後の患者の顔貌もほとんどの症例で整容的に十分許容できるものであった。11例中2例のオトガイ部を含む欠損例で術後3ヶ月以内のチタンメッシュトレーの破折を経験したが,海綿骨骨髄細片と補強型チタンメッシュトレーを適用して再手術を行ったところ良好な結果が得られている。以上より本法には若干の改良の余地が残されているものの,従来の再建方法に比べると臨床的により予知性の高い方法であると思われた。
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