Abstract
諸種の肝癌細胞株及びその他の細胞株での異常プロトロンビンPIVKA-IIの産生に関する検討を行なったところ,huH-1, huH-2, PLC/PRF/5, Hep G2, Hep 3Bの5種の肝癌細胞株の培養上清中にPIVKA-IIが検出され,しかも経日的にPIVKA-II値が増加した.またvitamin Kをあらかじめ添加した場合にはいずれもPIVKA-II値が著減した.胃癌由来細胞株のAZ-521及びMKN 7,膵癌由来細胞株のMIAPaCa-2ではその培養上清中にはPIVKA-IIは検出されなかった.以上よりPIVKA-IIは肝癌細胞で産生され,しかもその産生はvitamin Kの存在に左右される事が判明した.huH-2を使用して肝癌細胞におけるPIVKA-IIの産生機序に関する検討を行なったところ,プロトロンビン産生に関与する3つの酵素vitamin K-epoxide-reductase, vitamin K-reductase (vitamin K cycle)及びγ-glutamyl-carboxylaseのすべてが働いている事が示唆され,その機序としてはプロトロンビン前駆体の産生亢進にともなうvitamin K cycle及びγ-carboxylation systemの不均衡によるものと推測された.
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