メチルあるいはフッ素置換ビフェニル-4,4'-ジオール(BP,nMBP,nFBP)を含むポリエーテルウレタソ尿素(PEUUs)をポリテトラヒドロフラソff1000(PTHF),4 ,4'-メチレンビス(フェニルイソシアナート)(MPI),および鎖延長剤にエチレソジアミン(EDA)を用いる典型的な2段階重付加重合法から得た.ここに,置換ビフェニルジオールは4,4'-biphenyldio1(BP) ,3,3'-dimethy1-4,4'-bipheny1-diol(2MBP),3,3',5,5'-tetramethy1-4,4'-biphenyldio1(4MBP),3,3'-difluoro-4,4'-biphenyldiol(2FBP)および3,3,5,5'-,tetrafluoro-4,4'-biphenyldio1(4FBP),2,2',3,3' ,5,5',6,6'-octafiuoro-4,4'-bipheny1-dio1(8FBP)である.仕込みモル比をPTHF:置換ビフェニルジオール:MPI:EDA=O .5:0.5:2:1とし,DMSO:IBMK(1:1)の混合溶媒中で反応させてそれぞれPEUUs(PEUU-BP,PEUU-nMBPおよびPEUU-nFBP)を得た.また,ビフェニルジオール誘導体を含まないPEUUもPTHF:MPI:EDA=1:2:1のモル比で合成した.XPS測定から,空気中ではビフェニルジオール部を含む疎水性セグメントが表面付近に配向していることがわかった.水に対する接触角(θ)から,ビフェこルジイルにメチル基あるいはフッ素を導入するとPEUU表面の疎水性が向上することを確認した.PEUU_4MBPおよびPEUU-4FBPフィルムの引張り弾性率(E)はそれぞれ109 .1MPaおよび129.3MPaであった.また,PEUU-nMBPおよびPEUU-nFBPはいずれもウシ血清アルブミソおよびヒト血清γ-グロブリンを単層で吸着することを見い出した.細胞接着試験から,PEUUフィルムはマウス繊維芽細胞(L-929)の接着性を示した.これらの力学的性質および生体適合性から,PEUU-nMBPとPEUU-nFBPは人工血管として有用な材料となることが期待される.