Abstract
本研究では, 1名の自閉性障害児を対象に, 彼が外的な環境における複数の手がかりを利用して将来予想される他者の行動の結果を正しく推測することと, その推測に沿った社会的行動を分化的に自発することを検討した。研究1では, 経過時間と作業量から作業効率を算出する行動と, 作業効率から作業が制限時間内に終了するかどうかを正しく推測する行動を獲得させた。研究2では, 研究1で獲得した推測する行動を手がかりに, 援助行動の生起・非生起を使い分ける行動を獲得させた。すると対象児は, 研究1において, 作業効率を算出し, 作業効率から作業が終了するかどうかを正しく推測することが可能になった。また, 研究2においては, 研究1で獲得した行動を手がかりとした援助行動の条件性弁別反応を自発することが可能になった。これらの結果から, (a) 作業効率のような非視覚的な特性を持つ刺激を手がかりとして利用できるようになるための条件, (b) 外的な環境における複数の手がかり刺激の関係性を類推し, 刺激弁別の“柔軟性”を確立することができる可能性, そして(c) 援助行動を自発するための後続事象操作の必要性について考察した。
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