Abstract

小規模排水処理施設で発生する余剰汚泥の安定化,減量化の方法としては,嫌気性消化法よりも好気性消化法が適していると考えられる.本報では,グルコース・ペプトンを基質とする合成排水で馴養された馴致汚泥および下水処理場の余剰活性汚泥である下水汚泥を用いて,pHを7に調整した場合と調整しない条件の下で回分式好気性消化実験を行い,比較検討した.pH調整の有無による汚泥固形物の分解率,分解速度の違いは大きくはなくて,下水汚泥の方が最終分解率は小さく,分解速度は大きくなった.pHを7に保つために加えられたNaOH累積滴下量[mol]は汚泥の分解量[mol-C5H7NO2]とほぼ等しくなり,予測された反応式に従って好気性消化が行われていることが確かめられた.したがって,アルカリ剤の滴下量から,汚泥微生物の分解の程度を知ることができる.pH=7に調整すると硝化反応が促進され,微生物細胞から溶出したNH4-Nは速やかにNO3-Nに酸化されて液中にはNH4-Nはほとんど存在しない.また,pH=7に調整することにより液中に溶出したリン酸イオンがアパタイトとして析出し,処理液中のリン濃度が低下する.さらに,消化による汚泥の安定化の程度を知るために,汚泥から硫化水素が発生するまでの日数を酢酸鉛紙の変色によって求めた.その結果,pH=7に調整しながら消化した汚泥の方がpH無調整の汚泥よりも変色に要する日数が長くなり,pH調整した方が汚泥が速く安定化されることが分かった.

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