Abstract

北海道から九州にわたる各地域の代表的な奨励品種11と, 幼若期が極く短いと考えられる坊主愛国ならびに極く長いと考えられるフジヒカリの計13品種について, 幼若期と日長感応性を比較検討した。幼若期は, 出芽後長日条件で生育させた後, 短日条件に次々に移した場合の幼穂分化期の推移から, 短日に感応しない期間を求めて決定した。日長感応性は, 上記と同じ方法で得られた, 幼若期後の回帰直線の勾配によって表わした。得られた結果は次のとおりである。(1) 28℃条件における幼若期は, 短い品種では4.3日 (葉齢2.8), 長い品種では19.0日 (葉齢6.3) であった。(2) 品種の幼若期を, 栽培地域ごとにみると, 北海道で幼若期の長い品種が存在しなかったほかは, いずれの地域でも短, 中, 長の品種が存在し, 緯度的な勾配を示す一定の分布傾向は認められなかった。(3) 品種の日長感応性は, 暖地の短期栽培用品種フジヒカリを除き, これまでに明らかにされているように, 緯度的な勾配による一定の分布傾向を示し, 北海道から暖地に向かうにつれて大きくなることが確認された。(4) 幼穂分化期から出穂期までの日数は, 品種によっては大きな差異が認めらたので, 出穂期までの日数からすべての品種に共通な一定日数を差し引いて幼穂分化期を推定すると, 各生育相を正しく把握していない場合がある。

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