Abstract

遺伝的にホモ接合体とみなされているイネの品種内において,個体によって主稈総葉数に主に1葉の差が生じ,それに伴って2つの生育型が出現することが報告されている.本研究では,水稲48品種の主稈総葉数,出穂日,稈長,穂長,各節間長を個体ごとに調査することにより,この現象の普遍性を検証した.また,2つの生育型の出現比率を偏り指数 [((N+1)葉型個体数−N葉型個体数)/((N+1)葉型個体数+N葉型個体数)]で表すことによって,年次および移植期による偏り指数の変動を調査した.その結果,水稲48品種全ての主稈総葉数に主に1葉の差が生じ,それに伴って2つの生育型が出現した.この2つの生育型の各形質間にはほとんどの品種で有意な差が見られ,N葉型個体はN+1葉型個体に比べ早生,短稈,長穂,上位節間伸長型の傾向を示した.したがって,このような事象はイネにおいて普遍的であると考えた.複数生育型の出現比率は年次や移植時期によって変動したが,48品種中の12品種は2移植期で偏り指数が0.6以上あるいは-0.6以下となり,いずれか1つの生育型に80%以上の出現比率で偏った.また,2か年の4移植期に栽培した10品種のうち4品種は,いずれか1つの生育型に80%以上の出現比率で偏った.主稈葉数や出穂期に関与するQTL(量的形質に関与する遺伝子座)の集積度のわずかな差が品種間で異なることにより,2つの生育型の出現比率が安定して偏る品種と,不安定な品種が存在すると推察した.

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