Abstract

要旨頭蓋形成術直後に脳浮腫と脳出血を認めた症例を報告する。症例は84歳,男性。くも膜下出血に対し開頭クリッピング術,外減圧術が施行され,第58病日に頭蓋形成術が施行された。術中は問題なく手術が終了したが,術直後の頭部CTにて脳浮腫,脳出血を認めた。その後浮腫は進行したが追加手術を施行することなく,浮腫は改善し神経症状は術前と変わらないまで改善し安定した。手術前後でperfusion MRIを施行し,病側の脳血流量・脳血液量が健側比で上昇を認め,無症候性のsinking skin flap syndrome(SSFS)であったと考えられた。頭蓋形成術直後に脳浮腫や脳出血を呈する原因は再灌流,自動調整能の低下,SSFS,皮下ドレーンによる陰圧,静脈鬱滞,正中偏位からの復元による血管損傷,アレルギー反応が原因と考えられる。この合併症による致死率は高い。頭蓋形成術は比較的容易な手術であり,合併症の多くは痙攣,感染,硬膜外血腫であるが,脳浮腫や脳出血が生じることも念頭に置き,術前に十分な説明をする必要があると考えられた。

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