Abstract

テトラフェニルホウ素酸ナトリウム,塩化ベンザルコニウムを用いるカリウムの容量分析において,指示薬として使用するチタンエローおよびカルマガイトについて,塩化ナトリウム,塩化マグネシウムが共存するとき,あるいはこれに少量の過塩素酸またはリン酸が加わるとき,被滴定液のpHの影響について調べた.マグネシウムは一般にEDTAでマスクされるが,チタンエローを指示薬とするときは被滴定液中の塩化マグネシウム濃度が約0.12g/50ml以下で滴定可能であり,カルマガイトを用いるときはマグネシウムが共存すると,滴定可能のpH域が比較的せまくなる.酸性で滴定終点を判定できる指示薬として,ポンタクロム・アズール・ブルーB,サンクロミン・ブルーFBGおよびクロム・アズロールSはpH3~5において使用可能であり,特に海水,海洋塩中のカリウムの定量には共存する塩化ナトリウムやマグネシウム塩の電解質が滴定終点の呈色に役だつため都合よく使用できる。これらの指示薬のうち,比較的多量の塩化マグネシウムの共存によって影響をうけることが少なく,また,過塩素酸,リン酸の少量の溶存においても使用できる点において,サンクロミン・ブルーFBGとクロム・アズロールSがすぐれている.

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