Abstract

気相成長法でゲルマニウム基板の上にエピタキシャル成長させたリン化ガリウム層の化学的組成を確かめるため,けい光X線分析を行なった.試料は層の厚さが50μm以下,大きさ6mm×6mm程度のものである.分析線としてGaKα線とPKα線を用い,層の厚さは基板のゲルマニウム基板より放射されるGeKα線によって決定した.検量線は質量吸収係数などの基礎的データによって計算法で作成した.けい光X線の強度は分析線の場合はじゅうぶんに厚いリン化ガリウム標準試料における強度との比によって示す.GeKα線の場合にはゲルマニウム板における強度との比によって示す.このように強度比をとることによって共通の定数を打ち消すことができる.PKα線によるリンの分析は1%程度の確かさが考えられる.GaKα線によるガリウムの分析では厚さの誤差が付加されるうえに検量線のこう配がゆるやかであるため,リンの場合より確度は低い.特に基板のゲルマニウムの強調効果が相対的に大きいところの薄い層において,ガリウム濃度を過大に測定する傾向がある.

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