Abstract

痴呆患者の予後は不良であり, 5年後の死亡率はほぼ80%と報告されている. また, 痴呆患者の脳血流量低下の経過はその病型によって異なることが報告されている. 我々はすでに痴呆患者のCT上の脳萎縮と133Xe吸入法による脳血流量を同時に検討し, 痴呆の程度に対するそれらの関係が病型により異なることを報告してきた. 今回は, 上記についてすでに検討した35例の痴呆患者 (多発梗塞性痴呆 (MID) 22例, アルツハイーマー型痴呆 (DAT) 13例) の平均18カ月後 (3~48カ月) の予後調査を行った.[結果] 1) 調査期間中にDATでは13例中3例が, MIDでは22例中8例が死亡した. 2) DATにおいては, 死亡例は生存例に比し有意に高齢であった. 3) DATの悪化, 死亡群は不変群に比し有意に脳萎縮が強く, また両側頭頂葉で不変群に比し有意な脳血流量低下が認められた. 4) MIDでは死亡例で生存例 (悪化+不変群) に比し有意な全脳血流量低下が認められたが, 脳萎縮に差はみられなかった. 以上より痴呆の予後と脳血流量, 脳萎縮の関係は病型により異なることが示唆された.

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