Abstract

東アジア原産のツタ (Parthemcissus tricuspidata) は, 西洋諸国に広く普及し, 西洋の風景の一要素となっている。本稿では, ツタの伝播と普及の経緯を明らかにすることが, 来歴を踏まえた利用並びに観賞を行なう上で, また植物の人為的な移動の実際を認識する上で有意義であるという観点から, その一環として, ドイツへの伝播と普及の初期の経緯を, 当時発行されていた造園・園芸関係雑誌の記事に基づき明らかにしようとした。その結果, ドイツへのツタの伝播は, 19世紀後半にツタが普及したイギリスやアメリカへの伝播とほぼ同時期であったが, 19世紀中には普及が進まず, 20世紀初頭になって, 初めて一般に普及したことが明らかとなった。

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