Abstract

本研究は,夫の家事参加に対する妻の期待という視点を導入し,夫の家事参加が妻に与える影響を検討する。具体的には,夫の家事参加と,妻の夫に対する家事参加の期待水準の差から定義される期待充足度が妻の夫婦関係満足度に及ぼす効果を,1994年に生命保険文化センターによって実施された「夫婦の生活意識に関する調査」データを用いて検討する。分析の結果,期待充足度が正の方向に大きいほど,妻の夫婦関係満足度は高いことが示された。期待充足度の効果は,4群に区分した妻の就業形態いずれにおいても一貫しており,妻の夫婦関係満足度に大きな効果を有していることが確認された。この結果から夫の家事参加と妻の夫婦関係満足度との関連を考えるうえで,夫の家事参加のみならず,妻の期待水準とのズレの程度を考慮することが有用であることが示された。

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