Abstract

肌は成長過程で紫外線やホルモンバランスの変化など多くの外的,内的要因を受け,変化していく。特に成長段階にある子供の肌は,角層構造の成熟,皮脂腺の発達など変化が大きく,測定時の年齢によって肌性状を示す各種パラメーターの値は異なることがしられている。今日まで大人と子供の肌性状について研究,比較されているが,頭皮の報告は少ない。また,近年菌叢の重要性が多くの分野で報告されバランスや多様性について議論が行われているが,肌性状もまた皮膚常在菌と深く関わっている。そこで,本研究では頭皮に着目して女児と母親の頭皮の肌性状と菌叢を測定し,解析を行った。その結果,同様の環境下で生活する親子であっても菌叢を含めた頭皮環境は異なることがわかった。頭皮性状では女児は母親に比べて皮脂量,pHが有意に低く,発汗量が有意に高く,水分量が高い傾向にあった。さらに女児の頭皮菌叢は母親とは異なり,多種類の菌が存在した。また,菌叢解析結果を用いて主成分分析を行ったところ,女児ではStreptococcus属が,母親ではCutibacterium属が高い寄与率を示し,それぞれ異なる菌が頭皮菌叢バランスに寄与することが示唆された。

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