Abstract

ビールオオムギ初のオオムギ縞萎縮ウイルス(BaYMV)I,II,III型抵抗性新品種スカイゴールデンの普及にあたり,栃木県におけるBaYMV系統の発生を調査した.その結果,栃木県南地域ではIII型が常発化しており,県中北地域ではI型が発生していることから,これまで普及していた品種では不十分なことが明らかとなった.加えて,栃木県大田原市で既知のI,II,III型と病原性が異なり,BaYMV抵抗性遺伝子rym3を犯す大田原系統を見出した.この大田原系統と,同様にI,II,III型と病原性が異なり未同定であった山口系統について,罹病する品種の差異(病原性)および塩基やアミノ酸配列の相同性や系統樹による分子系統解析を用いて同定を試みた.その結果,それぞれI,II,III型と異なる系統で,大田原系統はIV型,山口系統はV型と判定された.IV型とV型の判別は,早木曽2号または浦項皮麦3と三月を判別品種として用いることにより可能である.また,スカイゴールデン,木石港3は,BaYMV I~V型のいずれにも抵抗性を示し,抵抗性育種に有効である.今後,ビールオオムギ品種育成において,BaYMV抵抗性遺伝子rym1,rym3,rym5の集積が重要と考えられる.

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call