Abstract

アオコの発生や増殖機構に関しては, 長年にわたって基礎研究及びその防除方法の開発が行われているものの, 未だに各地の湖沼や貯水池でアオコが頻繁に発生している. また, 近年では持続性や省エネルギーの観点から応用生態工学的な手法の開発が期待されている. 本研究では, アオコの群体に侵入し破壊するとされる珪藻Nitzschia paleaに注目し, Microcystis aeruginosa(NIES-102)及びため池にて採取したアオコ(Microcystis spp.)への増殖抑制効果について検討した. また, 増殖に適した照射光の波長は藻類によって異なることから, 微生物間におけるN.paleaの競合力をLED照射によって強化することで, 複合的にM.aeruginosaの増殖を抑制する波長も検討した. リン濃度に対して窒素濃度が高い条件では, N. paleaの添加によってM.aeruginosaの増殖が数日で抑制された. しかし, ため池にて採取したアオコへN. paleaと珪酸栄養塩を添加したが, アオコの増殖を抑制することはなかった. 単藻培養系にて青色LEDを照射するとN. paleaは増殖する一方で, M.aeruginosaは増殖しなかった. また, 25°Cにて黄色LEDを照射する条件でN.paleaを添加すると, M. aeruginosaの増殖は単藻培養と比較して約78%抑制された.

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