Abstract

殺菌剤 o-phenylphenol (OPP) の催奇形作用および突然変異誘発作用について検討した.Wistar 系ラットの妊娠6日から15日に日量150, 300, 600および1,200mg/kgのOPPを連続経口投与し, 妊娠20日に胎仔を摘出して奇形の有無を検索した. 300mg/kg以上の投与量で母動物に急性症状が認められ, 妊娠中の体重増加は著しく抑制された. 1,200mg/kgでは投与期間中に91%の母動物が死亡した. 150および300mg/kg投与群では胎仔の発育に対する影響はみられなかった. 600mg/kg投与群では胎仔の死亡率が上昇し, 生存胎仔の体重は有意に減少した. しかし, いずれの群にもOPP投与によると考えられる奇形の誘発はみられなかった.さらにOPPの突然変異誘発作用を検索するためにマウスを用いて優性致死試験を行なった. C3H系の雄マウスにOPP100または500mg/kg/日を5日間連続経口投与した. 投与完了後, おのおのの雄に毎週2匹ずつの割合で6週間にわたって無処置の雌を交配したが, 優性致死誘発率の有意な上昇は認められなかった.

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