Abstract

要旨 症例は66歳の男性。吐血を主訴に救急搬送された。上部消化管内視鏡検査で胃3型腫瘍からの出血と診断され経過観察目的に入院した。搬入10時間後,1L以上の吐血を来し出血性ショックとなり,大動脈閉塞バルーン留置下で緊急開腹した。胃穹窿部後壁に潰瘍化した腫瘍を認め, 同部位から出血が持続していた。縫合止血が困難であり胃内ガーゼパッキングで一時止血を得た。集学的管理で全身状態を改善させ,2日後に再開腹しガーゼを抜去すると,腫瘍が脾動脈に浸潤しており,同部位からの再出血を認めた。腫瘍は膵尾部・脾門部・横隔膜に浸潤しており,胃全摘術・膵尾部脾合併切除術を行った。病理組織検査で非特定型末梢性T細胞リンパ腫と診断した。胃原発悪性リンパ腫は稀に大量出血を来すことがあり,damage control strategyが要求される可能性がある。胃腫瘍からの大量出血に対するdamage control surgeryとして胃内ガーゼパッキングが有用であると考えられる。

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