Abstract

日本において, 緑地地域, 近郊地帯などの日本型グリ-ンベルト政策が行き詰まりを見せ, 新たな都市計画法の策定が模索されていた頃, アメリカにおいても, 伝統的なゾーニング手法に加えて種々の土地利用規制制度の開発が試みられていた。オレゴン州の都市成長管理政策は, アメリカにおけるこの種政策の嚆矢を成すものであり, 州政府が網羅的な計画指針を提示し, すべての地方自治体に総合計画の立案を義務付けるものである。都市成長境界線の設定も, 重要視された政策であり, ポートランド大都市圏におけるその運用には見るべきものがあり, 一つのモデル的存在とされている。それへの評価は, 地方政府の主体性を前提としながら, 地方政府と州政府が協調して土地利用を管理し都市と農地との明確な分離, 開発に対する厳しい規制と誘導, 農地・自然資源への手厚い保護政策, これらが一体となって運営され実績を挙げているところに向けられていると言える。

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