Abstract
良食味米生産技術の改善上の知見を得るために,水稲の稈長+穂長の大,中,小別とそれぞれの穂に着生している米の食味および理化学的特性との関係を検討した.稈長+穂長が大の分げつは低次位低節位からの発生で,茎は太く,穂に着生した玄米の千粒重は重かった.稈長+穂長が大の穂に着生した米の食味は稈長+穂長が中,小の穂に着生した米の混合米に比べて外観は同程度であったが,味が優れ,粘りが強くなって総合評価は優れた.稈長+穂長が大の穂に着生した米の理化学的特性は稈長+穂長が中,小の穂に着生した米に比べてタンパク質含有率は低く,アミロース含有率は高かった.また,アミ口グラム特性の最高粘度は高く,ブレークダウンは大きく,テクスチャー特性のH/-H,H/A3は小さい傾向を示した.稈長+穂長の大きさ別の玄米千粒重とタンパク質含有率,テクスチャー特性のH/-HとH/A3との間にはそれぞれ負の相関関係が,アミロース含有率,アミ口グラム特性の最高粘度とブレークダウンとの間には正の相関関係が認められた.したがって稈長+穂長が大,中,小の穂に着生した米の食味および理化学的特性の違いは,稈長+穂長の大きさと密接に関係のある米粒の充実度を示す玄米千粒重の差異によるものと考えられた.これらのことから良食味米生産技術の改善という視点からみて,稈長+穂長が大きい稲体を確保することが必要であり,そのためには低次位低節位からなる茎の太い分げつの早期確保と充実をはかり,千粒重の重い玄米を生産することの重要性が示唆された.
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