Abstract

異なる生育相を示す5品種を供試し, 窒素及びカリの供給量の差異に対する生育反応から塊根肥大特性の品種間差異を明らかにしようとした。培地は野外の群落条件下で栽培できる礫耕装置を用いた。(1) 窒素供給量を増すに従って地上部重は増加したが, その場合に地上部重が多い品種ほど葉身窒素含有率は低い傾向が認められた。(2) 窒素供給過剰によって生ずる減収がカリ多用によって軽減される効果に品種間差異が認められ, 塊根肥大能力の勝るコガネセンガンは高く, 塊根肥大能力の劣る他の品種は低い傾向が認められた。(3) 塊根乾物重と葉身窒素含有率との間に密接な関係のあることが認められ, 両者の関係曲線から各品種ごとの葉身窒素含有率の適値を推定することができた。この値は同様にして推定した地上部生体重の適値の品種間差異と比べると変動の幅が狭かった。また, 生育時期間の変動幅も狭かったことなどを勘案して, この適値は多収をえるための生育経過を示す一指標として利用できると推察した。(4) 窒素供給過剰によって減収するパターンの品種間差異を検討し, 農林1号のように繁茂量が過剰になって減収する型と, 九州65号のように葉身窒素含有率が過剰になって減収する型とに分類できた。また, コガネセンガンのように繁茂量が多くなっても減収しにくい品種があることを指摘した。

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