Abstract

症例は79歳,男性.2015年6月に胸腹水の貯留を契機にS状結腸癌を指摘され,7月に手術目的に当科へ転科した.しかし,入院後突然の悪寒・発熱とともにショック状態に陥った.血液培養からはStreptococcus bovis(S.bovis)が検出され,敗血症性ショックと診断した.抗生剤投与にて全身状態は改善し,8月に腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.術後経過は良好で,術後12日目に退院した.病理結果はT2(MP),N0,M0,pStage Iであった.S.bovisは腸内細菌の一種である.健常人の10%の腸内細菌叢に存在すると言われるが,大腸癌患者群では29-59%と高い保菌率が報告されている.また,S.bovis菌血症を契機に早期大腸癌を発見したという報告も散見される.S.bovisと大腸癌との関連性を認識することは臨床上で有意義と思われ,今回われわれの経験した1例につき文献的考察を加え報告する.

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