Abstract

石川県金沢市南部地域に分布する中新統“犀川層”の層序を岩相層序学・生層序学的研究から再検討した.ここでは,従来の“犀川層”を下位から,山科層,犀川層(再定義),小寺山層に区分した.山科層は泥岩を主体とし,珪藻化石帯NPD4Aの約15.6–15.4 Maを示す珪藻化石を含む.犀川層は主に粗粒砂岩からなり,得られた珪藻化石は再堆積であると考えられる.しかし,以前の研究で,CN5a帯(13.6–11.8 Ma)の石灰質ナノ化石が報告されている.これらのことは,犀川層が山科層を不整合に覆うことを示す.小寺山層は,細粒砂岩を主体とし,その基底礫岩は犀川層上部を侵食している.また,小寺山層は上位の更新統大桑層の基底礫岩に侵食されている.小寺山層からは,日本では3 Maまでに絶滅したカリア属(クルミ科)の内果皮が産出した.従って,大桑層は不整合で小寺山層を覆い,両者の間には130万年以上の堆積間隙があると考えられる.

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