Abstract

心エコー図検査は,心臓の大きさと機能を評価するために世界中で使用されている.どのような値が異常であるかを決めるためには,心エコー図検査における正常基準値を規定することが不可欠である.現在の心腔定量評価ガイドラインでは,心腔サイズの正常基準値が明記されており,性別や体格を考慮することが推奨されている.しかし,これらの正常基準値は,主に欧米の白人健常者を被検者とした計測方法が統一されていないデータベースを用いて設定されたものである.また,欧米以外の国から報告された複数の研究では,心臓のサイズは世界的に異なることが示唆されている.これらの制約を乗り越えるために,近年,心腔サイズにおける類似性と差異を検討し,世界的な多様性を考慮しながら正常基準値を設定することを目的としたNormal Reference Ranges for Echocardiography study やWorld Alliance of Societies of Echocardiography Normal Values studyという研究が実施された.これらの研究の結果,心腔サイズ正常基準値の標準化が重要であることが示された.本総説では,心エコー図検査で求めた心腔サイズ正常値の現状についてまとめた.

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