Abstract

塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTMAC)のミセル溶液において,クロムアズロールS(CAS)はウラン(VI)と鋭敏に反応して青色の錯体を生成する.この錯体の吸収極大は615mμ付近にあり,その吸光度のpHによる変化はpH4~5.5においてゆるやかとなる.検量線は615mμではやや湾曲するが,625mμで測定すればほぼ直線になる.この場合のウランの見かけのモル吸光係数は1.0×105である.連続変化法による測定の結果錯体の組成はウラン:CAS=1:2と推定される.妨害イオンは多く,鉄,コバルト,ニッケル,クロム,ガリウム,スズ,チタン,バナジウム,アルミニウム,ベリリウム,トリウム,ハフニウム,ジルコニウムなどは顕著に妨害するが,アルミニウム,ベリ夢ウムのほかはEDTAでマスクできる.しかしEDTAを使用すると吸光度が11%ほど滅少する.CTMACのミセル溶液におけるCASの酸解離についても検討し,酸性側では酸解離の顕著な促進が,塩基性においては酸解離の抑制とみられる現象が認められた.

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