Abstract
本稿の目的は,アカデミック以外のアルターナティブな社会学像を家庭科との関係から分析することで,社会学の可能性とその問題点を探ることである.そのためにまず,家庭科がどの様な教科であるかを述べる必要がある.そのプロセスとして,家庭科の学問的背景である家政学からその問いをスタートさせる.さらに,家庭科という教科自体が抱える問題とその問題解決のために,社会学の位置づけとその問題性を分析することでこの課題に応えたい.家政学は,古代ギリシアでは男性の実践学(政治学)の一環として,正当な位置を占めていた.古代ギリシア以来近代まで,家政学は家長=男性のためのものであった.しかし,近代以降,男の家政学から女の家政学へ帰属の逆転がなされた.Anthony Giddensのモダニティ論の中心的テーマであるライフ・ポリティックスを基軸とした理論展開から,社会学は,家政学に対し,現代社会の変革を生み出す女と男(人間)の家政学という新たな認識展開を生み出す力になりうると考える.社会学の可能性とは,家政学への越境により,家政学者に家政学を変革する力を与える事ができるということである.その力とは,家政学を背景とした家庭科教育において,子どもたち自身にライフスタイルの反省的選択という生活実践力を身につけさせることで,社会変革を志向することを可能にするという力である.
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