Abstract

総義歯最終印象の目的を顎堤および周囲組織との良好な適合の獲得としたときの下顎総義歯製作における効果的なシリコーン印象法について,印象の成否の評価基準を明確にしたうえで検討を行った.評価基準は,安定して機能している下顎総義歯群における適合検査の粘膜面から得た3 つの特徴的所見とした.印象面の評価のしやすさでは,単一シリコーン印象材による単層印象が最適と考え,Biofunctional Prothetic Syetem(BPS)にみる印象法を対照として検討を進めた.その結果,単層印象では維持不足に陥る傾向が認められ,それを補うには個人トレーの床縁設計が重要であることが分かった.また,中程度の流動性のシリコーン印象材を使用し,さらに,シリコーンと個人トレーの色の相性を考慮することで印象面の評価のしやすさが向上することが分かった.本研究により,義歯製作の全過程において適合検査の活用により3 つの特徴を共有しながら,下顎吸着メカニズムに則り製作された個人トレーを使用し,単一シリコーン印象材による単層印象を実践することが良好な適合の獲得に繋がるとの結論に達した.【顎咬合誌 40(3):245-252,2020】

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