Abstract

イネにおいて, 幼穂発育初期の水ストレスによって登熟期間が変わるかどうかを検討した. 水稲品種コシヒカリを1/5000 aポットにポットあたリ16個体を移植し, 1週間毎に分げつを取り除いて, 主稈のみを湛水栽培した. このような植物に1次枝梗分化期および穎花分化期から期間の異なる10段階の土壌水分ストレスを与えた. 出穂は水ストレスの程度が厳しくなるに従い遅延した. 一方, 出穂後の穂の生長速度は水ストレスによって著しく低下するとともに, 登熟期間は水ストレスが厳しい場合には短くなった. このため, 全生長期間はほとんど水ストレスの影響を受けなかった. 出穂の遅延は水ストレス期間に比例していたけれども, その関係は, 積算水ストレスとの関係ほど密接ではなかった. 以上のことから, 幼穂発育初期の水ストレスに伴い出穂は積算水ストレスに比例して遅れると同時に, 登熟期間は水ストレスが弱いと変わらないものの, 厳しいと短くなると結論した.

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