Abstract

コロナ禍期間にあった2020–2021年における野菜の需給動向を,2019年以前の過去10年間と比較しながら確認した.東京都中央卸売市場に出荷されている144品目を月ごとに分析し,1657月別品目の需要と供給,並びに価格の動向を確認した.その結果,野菜の需給動向は,月別品目によって異なり多様であることが再認識されたが,あえて全体的な傾向を指摘すれば,需要と供給が減退している月別品目が多く,その傾向が直近の変動においてより強まっている.コロナ禍との関連では,家庭内需要が多い指定野菜で需要が増加した月別品目が見られた.これに対して業務需要が多い輸入野菜と香辛つま物類で需要が減退した月別品目が多かった.季節的には春から夏にかけて需要が減退した月別品目が多かった.こうした需要の減退に比べて価格が低下した月別品目が少なかったが,これは供給が減らされたためで,出荷者の損失は大きかったと推測される.

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