Abstract
日本とアメリカの自己概念を尺度の因子構造・信頼性・妥当性の観点から検討することを目的として,小学3,4,5年生の児童計1,357名に対してSDQ-I(自己記述質問票)を実施した。確認的因子分析では日米ともに「身体的能力」「身体的外見」「友人との関係」「両親との関係」「一般的自己」「国語」「算数」「教科全般」の8因子構造が確認され,多母集団同時分析においても日米間のデータに等質性があることが検証された。内的整合性に関しても十分な信頼性があると認められた。日米両国を通じての傾向性としては身体的能力・数学の項目では男子が高く,国語に関しては女子が高かった。学年の主効果は日本に見られたがアメリカには見られなかった。国の主効果は全項目に対して見られ,アメリカの自己概念が日本に比べて有意に高かった。考察では日米の自己概念の特徴や相違点について文化的自己観や学校風土の観点から検討し,SDQの応用可能性について言及した。
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