Abstract

メチルシクロヘキサン(MCH)は液体有機水素キャリア(LOHC)として有望視されているが,MCHと沸点の近い五員環化合物に異性化することが避けられないため,MCHを反応させずに五員環化合物を選択的に変換することが求められている。Ir/SiO2触媒を用いることで,反応系内に過剰量のMCHが存在しても,メチルシクロペンタン(MCP)の選択的加水素分解を効率的に進行することを明らかにした。Ir/SiO2およびRh/SiO2触媒は,200 ℃でのMCPの加水素分解において高い転化率を示したのに対して,MCHはほぼ反応しなかった。一方,Pt/SiO2触媒は200 ℃でMCPとMCHのいずれもほとんど反応しなかった。Ir/SiO2およびRh/SiO2触媒でのMCPとMCHの反応性の違いは,MCPがMCHに比べて比較的高いひずみエネルギーと生成エンタルピーをもつためと考えられる。さらに,実際のLOHC系での不純物であるエチルシクロペンタンの加水素分解を実施したところ,Ir/SiO2触媒では過剰量のMCHの存在下であってもこの反応が優先的に進行することが分かった。

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