Selective 3D-DSAとkick turn methodを応用した塞栓術が有用であったSpinal dural AVFの1例

Abstract

Three-dimensional digital subtraction angiography (3D-DSA)と「kick turn method」を応用した塞栓術が有効であった60歳男性,胸髄脊髄硬膜動静脈瘻の症例を経験した.第10肋間動脈のselective 3D-DSAによりfeeder, fistula, drainerの立体的な位置関係が的確に把握でき,適切なworking angleを得ることができた.治療方針の決定や,マイクロカテーテルの誘導・NBCAの注入に際し非常に有用であった.また,kick turn methodにより急峻に分岐するfeederへのカテーテル誘導に成功した.Selective spinal 3D-DSAの利用で,脊髄血管病変に対してより安全・確実な治療を行うことができると考えられる.また,kick turn methodは選択困難な血管分岐部におけるカテーテル誘導に際し有効な方法であると考えられた.