Abstract

【目的】維持透析患者の心臓手術における血管麻痺症候群(vasoplegic syndrome, VPS)の発症率とリスク因子を検討すること。【方法】2013年4月1日から2020年1月31日までに定期開心術を受けた維持透析患者106例を対象とし,後方視的にVPSの発症率を調査するとともに,過去の報告でVPSの発症と関連があると報告された,①糖尿病,②駆出率(ejection fraction, EF)40%未満,③透析歴,④β遮断薬の内服,の4つの因子において,VPS発症の独立因子を決定する多重ロジスティック回帰分析を実行した。【結果】106例のうち,5例をデータ不足のため除外した。5例を除いた101例のうち,39例(39%)がVPSを発症した。VPSと独立した関連を認めた因子はEF 40%未満であった。【結論】透析患者におけるVPSの発症率は39%であり,中でもEF 40%未満の患者群は独立したVPSの発症リスク群であることが示唆された。特に心機能低下例において,心臓手術を行う場合,VPSの発症を念頭に周術期管理を行う必要があると考えられた。

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