Abstract

ビールオオムギの麦芽品質を初期世代に選抜する方法の一つとして,穂型および粒の外観を指標とした選抜の可能性を検討した、材料は良質系統である新田二条1号(現:はるな二条)を片親とした3組合せのF3,F4,F5世代である.穂型の指標としては粘着密度を,粒の外観の指標としては穀皮のしわの多少を用いた、穀皮のしわは観察によるパネル判定によって行ったが,パネラー間の順位相関は,初期世代では低かったものの,中期世代ではr=0.6以上の高い値が得られた.粘着密度および穀皮のしわと麦芽品質との間の相関を求めたところ,穀皮のしわは麦芽エキス,エキス収量および評点と相関が高く,特に麦芽エキスと高かった.しかし,粘着密度とは明瞭な関係を持った形質は認められなかった.各形質について世代間相関を求めたところ,粘着密度,穀皮のしわ,麦芽エキスおよび評点はともに相関が比較的高かった.以上のことから,麦芽品質の中で最も重要た形質である麦芽ニギスは,穀皮のしわによって簡便に選抜できることが推定された.この方法は多数の材料を取り扱う初期から中期世代において有効であると考えられる.

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