Abstract
低リン酸濃度適応性の異なるコムギ品種を用いて, 圃場における分げつの出現率と地上部及び根部のリン, 窒素, カリウム含有率との関係を検討した. リン酸の不足する黒ボク土に対照区とリン酸増肥区を設けて栽培し, 主稈の第1葉の葉腋から出現する分げつ (T1) の出現率を調べた. その結果, 供試した3品種ともリン酸の不足する対照区で, 地上部及び根部のリン含有率が低かったが, 低リン酸濃度適応性が低いアサカゼコムギと農林61号では地上部のリン含有率が0.5%以下になるとT1の出現率が低下するのに対し, 低リン酸濃度適応性が高い農林64号はリン含有率が0.3%以下になってもT1の出現率はほとんど低下しなかった. なお, 地上部の窒素, カリウム含有率もリン酸増肥に伴って増加したが, 偏相関係数を検討した結果, 分げつ出現にはリン含有率が最も影響が大きいと考えられた. これらのことから, リン酸欠乏土壌で農林64号のT1の出現率が高いのは, リン吸収能が高いことによるのではなく, リン含有率が低くても分げつ能力が高いことによると考えられた.
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