Abstract

症例は54歳の男性で,下部直腸癌(RbRa 2型cT3N1aM0 cStage IIIb)の診断で術前化学療法後に手術を予定した.通常の前処置を行ったが,便排泄は不完全で手術直前まで泥状便が持続した.Transanal total mesorectal excision(以下,TaTMEと略記)併用ロボット支援下部分的内肛門括約筋切除術とD2郭清を行い,吻合は1列全層縫合を行った.併せて回腸人工肛門造設術を行った.術直後から泥状便が持続し,術後3日目から炎症反応の著明な上昇を認めた.直腸診で縫合不全を確認し,経肛門ドレーンを縫合不全部に留置した.さらに,腹部造影CTで,後腹膜膿瘍も判明し,経皮的膿瘍ドレナージを追加した.徐々に膿瘍腔は縮小し術後50日目に退院した.TaTMEの際の高送気圧による後腹膜気腫により縫合不全から後腹膜に感染が波及した可能性があり,重要な経過と考え報告する.

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