Abstract

症例は,65歳女性.突発した左背部の激痛のため救急搬送された.胸部単純CTにて脊髄腔内にくも膜下出血(SAH)を認め,造影CTでは左Th5椎体レベルに3mm大の異常血管影を得た.脊髄動脈撮影で同部位はradiculopial arteryにおけるisolated spinal aneurysm(ISA)と診断した.背部痛はプレガバリンが奏効し,降圧を主体とした保存的加療を2週間行ったが,再検した造影CTで動脈瘤は依然として描出されたため,第17病日に再破裂予防目的で外科的動脈瘤切除術を行い,病理学的に解離性動脈と診断した.術後経過は良好で神経脱落症状なく自宅退院した.ISAはまれな疾患であり病態は不明な点が多く,自然退縮の報告がある一方で再出血による死亡例も知られており,統一された治療指針はない.胸髄レベルのradiculopial arteryにおけるISA破裂例は,保存的加療にて自然治癒しない場合は外科的治療介入が有用なオプションになり得る.

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