Abstract

要旨【目的】Damage control resuscitationとしての術前輸液制限の有効性を明らかにすること。【対象】2007年4月から2013年3月までの6年間に当センターへ搬送された外傷例で初診時にBP≤90mmHgの出血性ショックを呈し,手術やTAEによる緊急止血術を施行した101例。初期輸液療法を積極的に行っていた前期群59例と輸液制限を行った後期群42例をhistorical cohort studyとして比較検討した。【結果】両群の患者背景に差はなく,両群ともに心拍数は110/分,収縮期血圧は70mmHg,ISSは前期群34(25–43),後期群38(22–50)であった。術前輸液量は前期群2,310(1,750–3,300)mLに対して後期群1,025(563–1,575)mLと減少した(p<0.01),死亡率は前期群36%,後期群が41%と差がなかったが,術中術後の輸液・輸血総投与量は前期群14,708(8,712–19,581)mLに対して後期群9,363(6,459–12,253)mLと減少し(p=0.01),人工呼吸期間は前期群8.5(5–12)日に対して後期群6(2–9)日と短縮した(p=0.03)。【結語】出血性ショックを呈する外傷例に対する輸液制限は死亡率を改善しないが,周術期の水分負債を減少させることにより人工呼吸期間を短縮し,急性期集中治療に寄与する可能性がある。

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