Abstract

大腸ESDは現在広く普及しており,関連機器やデバイス,切除方法など,技術的困難性を克服するための様々な工夫がなされている.Pocket Creation Method (以下PCM)は全周切開を行わない新しいESD法であり,病変下にポケット形成を行うことで,さまざまな病変における有用性が示唆されている.今回われわれはPCMによる大腸ESDについて当院での経験を報告する.【対象と方法】2013年6月から2017年3月までの間に当院で施行された大腸ESD 184例のうち,PCMによりESDを施行した13例について検討した.【結果】患者背景は平均年齢76.4歳,男女比は5対8.術前生検が2例で行われていたが,それに伴う明らかな線維化は認めなかった.線維化病変を1例で認めたが,全例でポケット形成は可能であった.平均腫瘍径は34.1mm,平均切除時間は47.8分であった.一括切除率,治癒切除率ともに100%であった.病理組織診断は腺腫4例,腺癌8例,SSA/P1例であった.偶発症は後出血を1例で認め,内視鏡的止血術を施行した.【考察】今回の検討で,PCMの特徴として線維化病変や盲腸病変における有用性,偶発症の軽減,Dual Knife Jとの親和性などが挙げられた.PCMによるESDは安全に確実な一括切除が可能であり,有用性が高いと思われた.

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