Abstract

受動喫煙と小児期のアレルギー疾患との関連性を調べる目的で,8項目のClinical Questionについて疫学研究などの医学的知見をシステマティックレビューにより検討した.受動喫煙は,小児喘息における発症リスクの増加と重症化および呼吸機能低下,小児の咳嗽や痰の増加に関連性が認められた.胎児期の母親の喫煙は,小児喘息の発症および出生時からの呼吸機能低下と関連がみられた.また,受動喫煙は総IgEの上昇と特異的IgEやプリックテストの陽性化に関係し,特に乳児期の受動喫煙は食物や室内アレルゲン等への感作に有意に関連していた.アレルギー性鼻炎では発症と増悪に関連するリスク因子であることが示唆された.受動喫煙が小児期のアレルギー疾患に及ぼす影響は大きく,積極的に受動喫煙を防ぐことが推奨される.なお,アトピー性皮膚炎と食物アレルギーにおいては研究論文の数が少なく且つ関連の有無についても結果が拮抗しているため,受動喫煙との因果関係は明らかではないと結論した.

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