Abstract

アルカリ金属 (1族金属: Li, Na, K) と周期律表5族金属 (V, Nb, Ta) を組み合わせた複合酸化物触媒 (1族/5族原子比1:1および1:0.3) を用いてメタン酸化カップリング反応を行い, それらの触媒性能と物理化学的性質について検討した。触媒活性およびC2以上の高級炭化水素 (C2+) への選択性は2種の金属の組み合わせ, 原子比によって変化した。アルカリ金属はLi>Na>K, 5族金属はTa>Nb>Vの順に, また1族/5族原子比は1:1より1:0.3の方がそれぞれ活性, 選択性が高い傾向を示した。X線回折の結果, 1族, 5族金属をそれぞれA, Bで表すと, 原子比1:1で調製した触媒の結晶構造はすべてABO3で表される複合酸化物 (メタ5族金属酸塩) であるのに対し, 5族金属の量を減らした原子比1:0.3の触媒の結晶構造は, 主にA3BO4で表される複合酸化物 (オルト5族金属酸塩) であった。ただし, カリウムと5族金属の組み合わせではオルト5族金属酸塩の生成は認められなかった。反応結果との比較から, A3BO4構造はABO3構造よりも特にC2+選択性の点で優れているといえる。空気中に長時間放置した触媒の熱分析結果から, A3BO4構造の触媒には炭酸ガスを吸着し, かつそれを700K以上の温度で脱離する塩基点の存在が推察された。しかし, ABO3構造の触媒にはそのような塩基点は認められなかったことから, A3BO4構造の触媒が高選択性を示すのは, この塩基点の存在によるものと推察される。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call