血清検査においてブルセラ病と診断された輸入牛から分離されたOchrobactrum intermedium の同定事例

Abstract

輸入検疫では，牛の監視伝染病であるブルセラ病をこれまで多頭数摘発している． しかし，これらの摘発牛は血清反応検査に基づく診断によるもので，摘発牛からのブルセラ菌分離事例はない． 今般，動物検疫所で輸入検疫を実施したオーストラリア産肥育用素牛において，試験管凝集反応でブルセラ病患畜と診断された牛からBrucella 属菌と生化学的性状および抗原性が近似している菌を分離した． 分離菌はPCR検査でブルセラ属およびブルセラアボルタスと同一部位にバンドが確認されこれらと識別できなかった． しかし，遺伝子解析によりBrucella 属菌は否定され，Ochrobactrum intermedium と同定した．