Abstract

御荷鉾緑色岩類は,後期ジュラ紀に形成され,前期白亜紀にアジア大陸東縁へ付加された地質体だと考えられている.一方,御荷鉾緑色岩類と北部秩父帯の柏木ユニットは,岩相,変形構造,地質構造,変成作用において,密接な関係があることが指摘されている.両地質体の初生的な関係の理解は,後期ジュラ紀〜前期白亜紀のパンサラッサ海(古太平洋)やアジア大陸東縁の沈み込み帯のテクトニクスの解明につながるため重要である.本巡検では,御荷鉾緑色岩類と柏木ユニットの海洋性岩石である玄武岩類およびチャートに着目し,両地質体の類似点と相違点について観察を行う.また本巡検地では,御荷鉾緑色岩類の上位に柏木ユニットが衝上する大高取山クリッペや堂山クリッペが提唱されている.これらクリッペについて,両地質体の岩相上の特徴から再検討を行う.さらに小規模に点在して分布する帰属不明な蛇紋岩についても観察を行う.

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